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新創業融資制度の審査のポイントと創業計画書の書き方(3)
2023.11.14
前回の新創業融資制度の審査のポイントと創業計画書の書き方(2)の続きでございます。
●新創業融資制度(日本政策金融公庫HP)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
●創業計画書PDF(日本政策金融公庫HP)
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyou00_220401b.pdf
今回は、審査の時に重要な提出書類である『創業計画書』の書き方の中の、『6 お借入の状況』『7 必要な資金と調達方法』の項目について解説します。
【1】お借入の状況
現在の借入金の状況を記載します。
法人の場合でも、代表者個人の借入金を記載することになっています。
利益計画の利益が、生活費だけでなく借入金の返済ができる利益計画になっているかどうか、という視点で審査されます。
事業の見通しの利益 > 生活費+既存の借入返済+創業融資の返済
借入返済ができる利益計画になっていないと、融資の問題だけでなく、実際の事業がとん挫することになりますので、資金の問題はとても重要です。
【2】必要な資金と調達方法
- 『必要な資金』とは、創業のための初期投資のことです。
- 『調達方法』とは、創業の初期投資資金を、どの方法で調達するかを整理したものです。
- 『自己資金』は、事業に使うことができる個人資金です。
順番に説明します。
(1)『必要な資金』
設備資金と運転資金に分けて記載します。
必要な資金を記入するときのポイント
- 設備資金は、根拠資料を準備。
- 運転資金は『まず何をするか』を想定して計算。
設備資金は、見積書や料金表等の根拠資料を準備することが最大のポイントです。
店舗やオフィス、製造や通信機器など、必要な設備の見積をリストにして、すべての見積書を取得してください。
リストを集計したものが、『設備資金』です。
次に、運転資金は、事業スタート時に何をするか、を考えて見積もりや金額を調べましょう。
たとえば、商品の仕入、人材採用、家賃+保証金、広告宣伝、顧客獲得のための費用、等々のスタート時の活動をリストにして、金額に落としていきます。
記入欄で足りないときは、別紙作成して添付しましょう。
(2)『調達方法』
前述の必要な資金のリストが完成したら、その源資となる資金をどうやって調達するか、を検討します。
一般的には、『自己資金』+『借入金』を記入します。
公庫の創業融資でなく、信用保証協会が保証した創業融資があります。
市区町村の推薦状をもらう仕組みもありますので、この場合、市区町村に問い合わせしてみるとよいです。
複数の金融機関で協力して融資をすることを『協調融資』と呼びます。
公庫と金融機関は、この『協調融資』は歓迎してくれますので公庫からの資金調達額が足りないときは、民間金融機関に同時に融資の申請をするとよいでしょう。
集計が出来たら、下記を検証します。
『必要な資金』=『調達資金』
このように、合計金額が右と左で一致するように、この表を作成してください。
(3)自己資金
創業融資の審査上の3つのポイントは『新事業のノウハウ』『事業計画』『自己資金』です。
新創業融資制度の審査のポイントと創業計画書の書き方(1)
https://www.legato-ta.jp/news/1562.html
この自己資金について、審査材料になるのがこの表です。
自己資金が多い方が審査では有利です。
日本政策金融公庫の新創業融資のHPには、『2.自己資金の要件』として、『創業資金総額の10分の1以上の自己資金』と書いてありますが、10分の1は最低要件と考えて20%以上、できれば1/3を目標に自己資金を準備するとよいです。
日本政策金融公庫の新規開業実態調査では、調達資金総額に占める自己資金の割合は24%と公表されています。
私見ですが、審査上有利なのは、自己資金25%以上という感触です。
自己資金が少ないと、『創業を計画的に準備していない』という評価マイナスになる、ということも聞いたことがあります。
自己資金の目標 『必要な資金』×25% 以上
自己資金をできるだけ準備して、安心して創業に挑戦するほうが経営的にもよいことと感じます。
以上、ご参考にしてください。
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