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クリニックの待ち時間の見える化で患者さんの満足度とリピート率アップ
2023.11.08
クリニックにおいて、待ち時間の長さは、患者さんの満足度に大きく影響する要因であり、曾いてはリピート率にも影響します。
さて、待ち時間対策には、大きく分けて2つの対策があります。
ひとつは、物理的な対策(待ち時間を少なくするための工夫)で、もうひとつは心理的な対策(長く待たされているというストレスを軽減する対策)です。
今回は後者の「心理的な対策」についてご紹介いたします。
クリニックで待ち時間が長いと感じるときは?
心理的な対策とはどのようなものでしょうか。
それは、「長いと感じないようにする」という工夫です。
では、どんなときに「長い」と感じるのでしょうか。
ここを掘り下げて考えてみると、クリニックでどんな工夫すればよいのかが見えてきます。
待ち時間が長いと感じるとき(1) 退屈で何もやることがないとき
「退屈なとき、やることが何もないとき」に、人は時間を「長い」と感じやすくなります。
おしゃべりをしていたり本を読んでいたり、何かをしている時間は比較的短く感じます。
待ち時間が長いと感じるとき(2) いつまで待たされるのか分からないとき
「いつまで待たされるのか分からないとき」にも、人は時間を「長い」と感じやすくなります。
この状態があとどれくらい続くのか分からない場合、人は不安に思ったりイライラしたりして、時間を長く感じてしまいがちです。
待ち時間対策…のつもりが、逆効果にも?
(1)の「退屈なとき」の対策としてポピュラーなのは、やはり雑誌やテレビの設置などでしょう。手軽に導入できるため、多くのクリニックで既に実施されている対策かと思います。
そして、(2)の「いつまで待たされるのか分からないとき」は、予約システムや時間が近づいた場合のお呼び出しなどで対策されているクリニックも多いでしょう。
しかし、(2)の対策について実際は少々気を付けなければなりません。
予約システムの利用や、時間が近づいたときにお呼び出しの連絡をしているクリニックでは、呼び出されるまで待合室から離れている患者さんが多く、待合室にいる人数が少ないために、新たに来院した患者さんは「すぐ呼ばれるだろう」と判断します。
しかし、待合室に患者さんがいないだけで、実際には多くの患者さんが順番を待っています。
このように、「待っている人が少ないから、すぐ呼ばれるだろう」と思ったのに意に反して長時間待たされたとき、患者さんの不満は一気に膨れ上がってしまいます。
患者さんのために導入したシステムが、思わぬ不満を生んでしまうのです。
では、これらを回避し、気持ちよくお待ちいただけるにはどんな対策が必要でしょうか。
待ち時間の見える化とは?心理的な待ち時間対策
これらの対策として有効なのが、「待ち時間の見える化」です。
たとえば、「ただいま○番の方までご案内しております」「ただいまの待ち時間 約○分」「ただいま○人待ち」など、待ち時間がどの患者さんにも分かるようにしておくのです。
こうすることで、患者さんの想定と実際の待ち時間の差が少なくなり、且つ「いつまで待たされるのか分からない」という不安も解消できるのです。
最近は予約システム等で待ち時間の表示をしているクリニックが、増えてきました。
しかし、このようなシステムを導入していなくても、患者さんが来院して診察券を提示されるときに「○番目ぐらいにお呼びできます」「○分後ぐらいになると思います」など、受付スタッフが一言添えるだけで、患者さんの心理的負担が軽減されます。
また、ホワイトボードなどに掲示して、定期的に情報修正していく方法も有効です。
受付スタッフの手間は少し増えますが、その一方で、待ち時間に対するクレーム対応の時間の削減や、患者さんの満足度低下の防止につながりますので、メリットは大きいといえるのではないでしょうか。
複数の診療科がある場合や、複数の先生、複数の診察室がある場合で、待合室や会計待ちが一ヶ所となっている場合は、診療科ごと、診察室ごと、先生ごとの待ち時間や待ち人数の案内があるとさらに親切です。
クリニックの環境や患者さんのニーズに合った方法で、「心理的な待ち時間対策」に取り組んでみましょう。
通ってもらえるクリニックとなるために
いかがでしょうか。
今回は、クリニックにおける待ち時間の心理的な対策として、「待ち時間の見える化」についてご紹介しました。
いくら医師の評判がよく、きれいなクリニックでも、いつまで待たされるか分からないクリニックでは、自然と患者さんの足が遠のいてしまいます。
患者さんの心理的な不安を取り除き、いつでも通ってもらえるクリニックとしたいですね。
この他にも、クリニックの待合室についての事例をご紹介した記事がございますので、こちらも併せてご覧ください。
クリニックの待合室についての事例
コロナ禍のこどもクリニック待合室では絵本の代わりに…?
クリニックの院内コミュニケーションで患者さんの信頼獲得
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税理士法人レガート 税理士 服部誠
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