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クリニック内はスリッパと土足どちらが良いの？

2023.03.22 クリニック経営

「クリニック内を土足とするか、スリッパとするか」問題は、開院時やリニューアル時の悩みどころの一つです。

今回は、クリニックのリニューアルに伴い、スリッパから土足に変更されたＡクリニックを例に、それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

クリニック内をスリッパにした場合のメリット・デメリット

スリッパのメリット

清掃の観点からは、スリッパに軍配です。
泥砂や土埃、雨水が院内に入り込みにくいため、清掃がとても楽になります。さらに、検査機器などへの付着の心配も格段に減り、衛生面でも安心です。
Ａクリニックもこれまで、この清掃の手間と費用を減らすため、スリッパ履きを採用していました。

また、お子さんを連れたお母さんたちには、小さな子供は座り込んで遊ぶことが多いので、靴を脱いで上がれる空間が好まれます。

スリッパのデメリット

他の人が履いたスリッパは履きたくない、触りたくないという方には不評のようです。
また、スリッパの除菌殺菌処理ができる下駄箱やラックを採用する場合にはその費用がかかり、使用するスリッパのメンテナンスも必要です。さらに手作業で除菌する場合は、その手間が増えます。

その他、スリッパの場合に生じてしまう問題として、靴の取り違えがあります。
来院患者数が多いクリニックや高齢者、小さなお子さんの割合が大きいクリニックでは、靴の取り違えも発生しやすく、しばしばクレームにも発展します。

クリニック内を土足にした場合のメリット・デメリット

土足のメリット

スペースの観点からは、土足に軍配です。
スリッパの場合は下駄箱やスリッパ置き場、履き替えるスペースを確保しなければなりませんが、土足の場合はそのまま入れるため、これらのスペースが不要となります。
また、スリッパへの履き替えなしで土足のまま入れるのは、履き替えが困難な高齢者や車いすの患者さんにとっても負担が少ないようです。

土足のデメリット

土足のクリニックでは清掃や除菌の手間が大きいです。Ａクリニックではこれまで、この清掃の手間と費用を減らすため、スリッパ履きを採用していました。
また、雨の日には靴が濡れた状態で入ることになるため、床が濡れて滑りやすい状態になります。
特に小さなお子さんや高齢者が誤って転倒しないよう、すべりにくい工夫や配慮が求められます。

Aクリニックが土足を選んだ理由

スリッパと土足のそれぞれのメリット・デメリットは前述の通りですが、もともと清掃の手間と費用を減らすため、スリッパ履きを採用していたAクリニックが、土足への変更を決断した理由は何だったのでしょうか。

それは、スリッパ履き替えで起こる、靴の取り違えにあったようです。
靴の取り違えが起こると、まず、同時間帯に来院された患者さんに電話して確認する必要があります。
見つかった場合も、無事に靴が戻ってきて双方にお返しできるまでの取次ぎには、さまざまな配慮を要します。また、確認の連絡をした患者さんやそのご家族から、「うちが疑われた！」と更なるクレームをいただいてしまうこともあり、スタッフも精神的に疲弊してしまいます。

Ａクリニックではスリッパから土足へ変更後、土足のデメリットでもあった清掃の手間を解消すべく、清掃は外注としました。
多少費用もかかるようになりましたが、Aクリニックの患者さんにはこちらの方が好評のようです。

気持ちよく通えるクリニックになるために

いかがでしょうか。
今回は、スリッパから土足に変更されたＡクリニックを例に、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。

どちらも一長一短の面がありますが、靴の取り違えトラブルや、スリッパへの履き替えが困難な方への配慮を考慮すると、土足を選んだAクリニックの選択も納得できます。
土足の場合のデメリットである、汚れやすい・雨の日に滑りやすい点への対策も同時に行い、気持ちよく通えるクリニックとしたいですね。

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