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地域密着型金融機関と新規法人の口座開設(1)
2022.05.17
以前のブログの「融資・資金調達のための“複数行取引”のススメ」でも書きましたが、規模と性格によって金融機関はいくつかに分類されているので、金融機関の種類ごとに口座を作っておくことをお勧めしています。
今回のテーマは、新規法人の口座開設だけでなく、取引する金融機関を選ぶときに知っていると得をしますので、是非ご参考にしてください。
【1】金融機関の種類
金融機関は次のように分類できます。
都市銀行
いわゆるメガバンク。大手上場会社を中心に取引。海外展開をするときには必要。
地方銀行
地方都市に本店を備え、地元の中小企業を中心に取引するが、近年では都内や他地域にも支店を増やしている。
第二地方銀行
元相互銀行等で1989年に法律改正により名称変更。一般社団法人第二地方銀行協会に加盟している。
第二地方銀行 加盟地方銀行一覧
都市銀行や地方銀行と比べると規模は小さく、地域の中小企業との取引が中心。
信用金庫
会員の出資によって運営される非営利法人。原則として会員にならないと融資取引できない。営業エリアが限定されている。従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者が会員になることができる。
信用組合
組合員の出資により運営される非営利法人。組合員にならないと預金も融資も取引ができない。営業エリアが限定されている。原則として、従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者(業種により別に定めあり。)が組合員になることができる。
このほかにも、信託銀行、証券会社や保険会社なども金融機関ですが、今回は割愛します。
【2】新規法人が預金口座の開設を断られる
当社では、新規法人の設立サポートをしていますが、「預金口座の開設を断られた」ということが、近年特に頻繁に起きています。
都市銀行や大手地方銀行は、その会社と新しく取引を開始するメリットがあるかどうか見極め、少ないと判断すれば口座開設を断ります。都市銀行や大手地方銀行は、比較的小規模の新設法人との取引にメリットを見いだしにくいのです。
また、金融庁は、預金口座が振り込め詐欺などに利用されると、その口座を開設した金融機関に厳格な処分を与えます。このようなことがないように、金融機関は口座開設に厳しく審査をします。
リスクがある新規法人の口座開設は、メリットを感じない、という判断になるはずです。
【3】地域密着型の金融機関
第二地銀、信用金庫、信用組合は、前述のように「地域密着型」の金融機関です。
新規法人の口座開設もハードルは低めです。
エリアを限定して営業しているので、営業エリアにどんな企業があるかなど、ある程度知っています。
私が、古くから駅前に店舗を持っていた当社のクライアントと一緒に、信用金庫の新規融資の相談に同席したときに、「御社の店舗は以前から知っていました。いつか取引をお願いしたいと思っていたのです。」と支店長が話していました。
地域の情報があり、審査に手間をかけて現場を見に来ることもできるので、新規法人に口座開設をしてくれる可能性は高いのです。
以上、ご参考になれば幸いです。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
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