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今、どれくらいの金額を借りることができるか
2021.11.12
金融機関では、融資の審査の時には、業績や財務内容はもちろん、担保、保証人、社長の個人資産、事業の成長性、業界の動向、社会情勢、など多方面から検討され判断されます。
融資の申し込みをするときに、「あと、どれくらい借りられるのか?」は、大変気になることです。
状況や事業計画によって、融資限度額は大きく変わるのですが、概算の目安は決算書の内容から判断できます。
現在の決算内容から「金融機関からみた借入限度額の目安」はあらかじめチェックして、申し込みをすると良いです。
【1】償還年数から計算した上限金額
借入金は、利益から返済するものです。
償還年数とは、債務をすべて返済するのに必要な年数で、債務を年間返済可能額(税引き後利益+減価償却費)で割ることで計算できます。
計算式:(税引き後利益+減価償却費)×10年
担保や保証人の有無、取引年数、取引先との関係性を考慮しない場合、金融機関が貸出可能金額の目安としているのが、「年間返済額の10年分」です。
通常、償還年数の適正な水準は5年以内ですが、一般的に融資限度額を計算する場合は、償還年数を10年で考えます。
【2】月商や年商(月商倍率)から計算する
金融機関の担当者が、感覚的に用いている「借入限度額の目安」を計算するときに、よく使われる方法です。
計算式:月商(年商÷12)×1~6ヶ月
借入限度額を月商倍率で計算する場合は、業種業態によって範囲が広がりますが、だいたい、月商の1~6ヵ月を目安としています。
営業利益率や経常利益率の高い業種の場合は、長い期間(5~6ヶ月)で計算しますし、低い業種の場合は、短い期間(1~2ヶ月)で計算します。
【3】経常利益から計算する
融資に対して、厳しめの対応をする金融機関の場合、こちらの計算方法を使って、融資限度額の目安を計算します。
計算式:過去3年分の経常利益の平均×50%×7倍
「経常利益の50%」というのは、税金支払いをイメージした金額で「税引き後利益」に近い数字になっています。
上記【1】【2】の計算方法に比べて、少なめの数字になります。
7倍の倍率は、経常利益が右肩上がりになっている場合は、7倍より増えてきますし、右肩下がりになっている場合は、7倍より少なくなります。
これらが、金融機関がイメージする融資金額の目安です。実際の審査では、これに担保や保証人、事業計画などの条件が反映されますので、この計算の金額は、「融資担当者が、まず最初に考える上限金額」と考えておけばよいでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
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