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融資の審査結果の理由は聞いていますか?
2021.02.09
融資申し込み後の審査の結果には、【満額通過】【減額通過】【否決】の3つのパターンがありますが、この結果が出た理由を、よく理解することで今後の対応に役に立ちます。
【1】理由を説明することは金融機関の義務です
減額・否決された理由について、金融機関側はきちんと申請者に説明する義務があります。
よくある『総合的に判断しました』という回答の場合は要注意です。具体的に理由を確認するようにしましょう。
金融庁では、金融機関への監督指針を発表しています。この中の【業務の適切性】の項目に、下記のようにあります。
顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合
これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか。
つまり、謝絶(否決・減額)した理由は説明する体制を整備することが、金融庁から指導監督されている、ということです。
もし、説明をしてくれないときは、『金融庁から理由を説明するように指導がありますよね。』『説明がないのでは、金融庁に確認してみます。』と言ってみると良いでしょう。
『顧問税理士に代わりに電話で聞いてもらいたい』とご相談に来られることもありますが、これは金融機関はできません。金融機関は守秘義務があり、必ず本人にしか説明はできない、ということになっています。
では、録音したら…ということもあるのですが、金融機関は嫌がるでしょう。録音が独り歩きする恐れがありますので。
【2】理由のきき方
聞き方としては、
- なぜ減額されたか
- 今後、どのようになれば追加融資が受けられるか
ということを聞いてください。
『今回は、この金額でないと事業が進まない。』と審査後に熱くアプローチしたくなるところですが、これは、ほぼ成果はないです。
金融機関としては、『その話は、審査の時にしてほしい』と感じるだけです。一度出した結論を動かすことはほぼ不可能です。
減額される極端な例として、次のような状況ではどうでしょうか。
- 年商5千万円、当期利益50万円の会社
- 5千万円の融資を申請
このような場合、返済余力を超過しているので、減額されるか否決されます。
借入金は当期利益から返済するものですから(5千万円÷50万円=100年)返済100年になってしまいますね。
申請の時には、返済計画を立てて、融資申し込みをすることが否決・減額を避ける方法です。
【3】改善ポイントを使って追加融資を申請
『今後どのようにすれば追加融資を受けられるか』の回答がとても重要です。この改善ポイントを金融機関から引き出して、次の融資につなげましょう。
例えば、日本政策金融公庫は、以前は融資を受けたら融資額が50%ぐらいまで返済しないと、追加融資は受けられない、ということが通説でしたが、最近はそのようなことはないようです。
1回目の融資を受け、事業が軌道に乗ってきたから、追加で運転資金の融資を申し込む、または、設備を拡大するための融資、ということも受け付けるようになってきています。
1回目は信頼づくりで資金調達して、翌年、実績をもとに大きく融資を申込する、という戦術が可能です。
この時に、前述の改善ポイントが役に立つのです。
『前回、ご指導いただいた点を盛り込み、事業計画を作成しました。』とコメントして追加融資の申し込みをすると審査成功率が上がるでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
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