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「決算月と税務調査の関連性」
2016.10.13
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.114)
■「決算月と税務調査の関連性」
今回は会社の「決算月」と法人税の「税務調査」の関連性について述べてみたいと思います。
「何月決算だと税務調査に入られやすいか」、逆に、「何月決算だったら税務調査に入られにくいか」、そこにポイントを絞って解説してみます。
税務署の人事異動は毎年7月に行われます。そのため、人事異動後の7月~12月の半年が「上期」、年明けの1月~6月の半年が「下期」となり、税務署では原則として、それぞれ上期・下期に分けて税務調査の対象先を選定しています。
私が入手した情報では次にように選定しているようです。(あくまでも原則ですので例外は勿論あります。)
○上期(7月~12月)の調査対象:2月決算~5月決算の法人
○下期(1月~6月)の調査対象:6月決算~1月決算の法人
ここで、決算月別の申告法人数を調べてみますと次のようになります(国税庁発表資料より)。
○2月決算~5月決算の法人数:約110万社
○6月決算~1月決算の法人数:約150万社
そして、調査官が実際に調査を行うことができる日数を比較しますと、下期(1月~6月)は確定申告時期が重なるため、なかなか税務調査を実施することが難しく、調査できる日数は上期の半分くらいになります。
通常、12月と6月は調査の結論を出す時期ですので、この月まで調査を継続することはあまりありません。つまり、上期の税務調査は7月~11月の5か月、下期の税務調査は1月~5月の5か月ですが、下期は確定申告があるため実働期間はその半分位の2.5か月となります。
以上を整理すると次のようになります。
○上期の調査(2月決算~5月決算):110万社を5か月間で調査
○下期の調査(6月決算~1月決算):150万社を2.5か月間で調査
このように整理すると、決算月が6月~1月の法人は、2月~5月の決算法人に比べて、明らかに税務調査に入る確率が低くなることが分かります。単純計算でもおよそ3分の1に下がります。
会社の決算月には各社いろいろな考えや事情があると思いますが、決算月を6月~1月にすることで「税務調査に入られにくくなる」という隠れたメリットがあることを覚えておいてください。
なお、決算月の変更は株主総会で定款変更の決議を行えばよく、登記手続きは必要ありません。同族会社であれば株主総会の議事録を作成して、税務官庁に変更の届出をするだけで決算月を変えることができます。
今後のご参考になれば幸いです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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