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医師の指導に基づくサプリメントは医療費控除の対象か?
2015.09.14
配偶者の不妊治療のため医師の指導に基づき購入したサプリメントについて、医療費控除の対象となるか否かが争われた事件がありましたのでご紹介します。
舞台となった東京地裁では、「本件サプリメント費用は医療費控除の対象となる医療費には該当しない」と判断しました。
(平成27年5月12日判決)
事案の内容
原告が、配偶者(妻)の不妊治療のため医師の指導に基づき購入したサプリメントの費用を医療費控除として確定申告したところ、所轄税務署長から本件サプリメントの費用は医療費控除の対象には含まれないとして更正処分等を受けたため、その取消しを求めて裁判を起こしました。
医療費控除対象の医薬品とは
医療費控除の対象となる「医薬品」とは、薬事法第2条第1項に規定する医薬品をいい、医薬品に該当するものでも、健康増進等のために購入するものは医療費に該当しないとされています(所得税基本通達73-5)。
裁判所の判断
東京地裁は、厚生労働大臣の承認を得ずに流通している“サプリメント”について、『特定の医師が服用を指導した、又はその成分が医薬品と同等であるということを理由に、治療又は療養に必要な「医薬品」に類するものとして医療費控除の対象とすることは、医薬品を規制する薬事法の目的及び内容にそぐわないものといわざるを得ない』としました。
そのうえで裁判所は、「医師又は歯科医師による診療又は治療」の対価とは、『医師等が行う診療行為又は治療行為の対価をいうもので、これらの診療行為等とは別に、患者が疾病の治療のために購入するサプリメントの対価は含まれないと解すべき』としました。
そのため、本件サプリメントが不妊治療の一環として購入されたものであったとしても、その購入費用は「医師又は歯科医師による診療又は治療」の対価に当たらないとしました。
医薬品であっても、目的が健康増進のためのものは医療費控除の対象とはなりませんので注意が必要です。
今後のご参考になれば幸いです。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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