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「厚生年金加入逃れ 80万社を調査へ」
2015.06.26
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.95)
■「厚生年金加入逃れ 80万社を調査へ」
今回は厚生年金の調査に関して興味深い情報がありましたのでご報告いたします。
日本年金機構はこのほど2015年度の業務運営計画をまとめ、厚生年金加入を逃れている可能性のある会社80万社に対して、調査並びに指導を実行していく方針を明らかにしました。
同機構はこれまで、厚生年金に加入していない約40万社を加入逃れの可能性がある事業所とみなしていましたが、昨年国税庁から所得税を天引きしている企業約250万社のデータを入手したところ、厚生年金に加入しているのは約170万社にとどまっていたといいます。
同機構は約3割にあたる残り80万社を「加入逃れの可能性が高い事業所」として、今後3年間で調査・指導していく方針です。また悪質な企業に対しては、立ち入り調査をして強制加入させていくようです。
厚生年金は、給与所得者を対象とする公的年金制度で、原則として、
①フルタイムの従業員を使用している株式会社や特例有限会社などの法人の事業所
②常時5人以上の従業員を使用する個人事業所(旅館、飲食店、理容店などのサー
ビス業を除く)
③船員が乗り込む一定の条件を備えた汽船や漁船などの船舶
のいずれかを満たす場合には、すべての事業所に加入義務が設けられています。
しかし、事業所が厚生年金保険料の5割を負担しなければならないことから、加入していない中小零細企業が多いのが現状です。
事業所が厚生年金に加入していないと、従業員は将来基礎年金しか受け取れず、老後の所得が不十分になる恐れもあることから、同機構は強制加入も視野に入れて未加入企業へ対処していく考えのようです。
個人情報の流出事件で、何かと問題となっている日本年金機構ではありますが、今後の動きに注目していきたいと思った次第です。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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