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「相続税の税務調査の対応策(2)」
2015.04.22
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.91)
■「相続税の税務調査の対応策(2)」
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通帳と一緒に保管される“手書きのメモ”が狙い
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午後は現物の確認作業となります。まずは通帳や証券、印鑑等の確認。通帳などの保管場所やその周辺、仏壇なども調査対象となることが多いようです。通帳の保管場所には過去の預貯金の預入証や手書きのメモがしまわれていることが多く、調査官にとっては“宝の山”なのです。
証書類を一通り見終えると、調査官は香典帳など葬儀の状況がわかる書類にも目を通します。多額の取引があった場合、銀行や証券会社の担当者が葬儀に参列することがよくあります。
担当者らしき人が来場しているのにその金融機関との取引が申告書に反映されていなければ、どのような関係なのかを問いただされます。
また、調査官は相続税の申告後のおカネの流れにも注目しています。たとえば、申告上は妻がもらうはずの預貯金が子の口座に振り込まれていたとしましょう。妻には「配偶者の税額軽減」という特例が適用できるため、法定相続分か1億6000万円までは相続税がかかりません。申告書の上では妻が相続したはずの預貯金が実際は子の名義になっていると、母親から子へ贈与があったとみなされ、子に贈与税がかかることになります。
こうして実地調査が終わると、そこで得た情報を基に、調査官は裏付け調査を行います。結論が出るのは、実地調査から1~2か月後。当初の申告に誤りがあり納税額が不足していれば、修正申告を行う必要があります。納めた税金が少なかった場合は「過少申告加算税」、隠ぺいや仮装があったと判断された場合は「重加算税」が課されます。
さらに、税務調査によって追加納税額が発生すると延滞税も課される。延滞税は加算税の有無や種類にかかわらず必ず発生するため、侮ってはいけません。
なお税務調査の連絡があった段階で、追加納税を免れない事実が見つかった場合は、先に修正申告をしてしまうのも一案です。調査着手前の自主的な修正申告であれば、追加納税額と延滞税を納付すればよく、加算税を回避することができます。
とはいえ実地調査は、対応する側にも労力を強いられます。税務署の調査官は亊前調査をした上で、「この案件は申告漏れを指摘できる」と踏んでから実地調査にやって来きます。納税者と税務署との見解の相違であったとしても、彼らに納得してもらうのは非常に大変です。
最も望ましいのは、調査が入るすきのない申告書を提出し、調査を未然に防ぐことでしょう。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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