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「相続税の申告漏れ、海外資産最多に」
2015.01.16
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.87)
■「相続税の申告漏れ、海外資産最多に」
昨年6月までの1年間(平成25事務年度)に実施した相続税に関する税務調査の実績が国税庁から発表され、海外関連の申告漏れが124件(前年度比9.7%増加)あり、統計を始めた平成13年度以降、最多となったことがわかりました。
海外関連の調査件数は753件、申告漏れ総額は163億円でいずれも過去最高だったようです。
国税庁はその背景として、「納税者の資産運用が国際化している」と指摘しています。
日本の税務当局は、国外送金調書により100万円を超えた海外送金についてはすべて把握しています。そして、海外送金の金額が大きい場合には、納税者に対し「国外送金のおたずね」という文書を発送するケースがあります。
さらに今後は「国外財産調書の提出制度」も導入され、租税条約による情報交換規定も強化されていますので、国外財産についてはこれまで以上に税務当局の目は厳しくなっていくものと思われます。
従来にも「財産債務の明細書」という書類がありましたが、今回の「国外財産調書」との大きな違いは、ペナルティの有無です。従来の「財産債務の明細書」では法律によって提出が義務付けられていますがペナルティは一切ありませんでした。しかし、新しい「国外財産調書」制度では、強烈なペナルティが設けられています。
具体的には、この調書の不提出・虚偽記載については1年以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則規定が設けられています。
今後、ますます資産運用は国際化し、国境を越えた資金移動が盛んになることと思います。相続税の申告の際に、うっかり申告漏れとならないよう、海外資産の存在にも十分気を付けたいものです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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