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「国税局の“超富裕層プロジェクト”が始動」
2014.12.12
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.85)
■「国税局の“超富裕層プロジェクト”が始動」
「超富裕層プロジェクトチーム」なる組織が今年の夏、東京、大阪、名古屋の各国税局で発足しました。富裕層に的を絞った調査チームとのことですが、対象となる〝お金持ち〟の基準は「調査に支障をきたす恐れがある」として明らかにしていません。
そのネーミングから「日本の富裕層の最上位に位置する超富裕層を対象にした施策」との憶測が飛び交っていますが、どうも標的にされているのは上位数%の「超富裕層」だけではないようです。
「超富裕層プロジェクトチーム」。なんともストレートなネーミングです。国税庁では本年度の重点項目につき、①海外・クロスボーダー、②富裕層、③無申告、④消費税、の4点を挙げていますが、新設されたプロジェクトチームは実に消費税以外の全てに絡むことになります。「取りやすいところから取る」という従来のスタンスが制度上も露骨に姿を現した形です。
チームには所得、法人、相続についての選りすぐりの調査官や査察官が集められ、管内の税務署とも連携しながら富裕層の情報をまとめ、課税につなげていくといいます。国税庁にも支援チームが設置され、東京局を中心に各局との定期的な協議を行っていくようです。
プロジェクトチームの目的について国税庁課税総括課では、「情報収集や調査よりも今年1年は新しい体制やシステム構築のための準備期間」としています。つまり現状では、そのネーミングからイメージされる「超富裕層に的を絞った武闘派調査集団」というものではなく、あくまで「新体制の構築にむけた協議会」という側面が強いようです。
そして協議会で議論されている大きな柱の一つが、富裕層が海外で行う資産運用や投資活動による資金の流れの把握です。国税庁長官も7月に行ったインタビューで、「海外金融機関への送金状況などを分析し、税逃れを見逃さない体制をつくっていく」と力を込めて答えていました。
将来の国税局の姿がどう変わるかは分かりませんが、私たち納税者としては変わることなく毅然とした態度で調査に備えたいものです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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