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「印紙税調査の実態とは?」
2014.11.12
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.83)
■「印紙税調査の実態とは?」
今年の4月に印紙税の改正が行われて半年以上が経過しました。案の定、印紙税に関する調査が活発化しているようです。印紙税は「事前通知の対象外」であり、また「税理士が口を挟めない領域」でもあるため、実際に調査に入られますと調査官の独壇場となってしまいます。
では、印紙税の調査とはいったいどのようなものなのでしょうか。今回は印紙税の調査の実態について述べてみたいと思います。
法人税や所得税の税務調査に関しては事前に対策をしていたはずなのに、印紙税に関しては無防備だったというケースが意外と多いと聞きます。そのため、調査をする側の調査官からも「お粗末な不正が結構多い」といった話を聞くことがあります。
どのような手口があるのか調査経験のある国税OBに伺いますと、良くあるのが「再使用」だそうです。一度使用した印紙を上手に剥がして再使用するといったケースです。しかし、印紙に残っている過去の消印の上からもう一度消印をするため、微妙にずれていたり、消印の朱肉の色の違いで不正がわかるそうです。
また、嘘のような話として「カラーコピー」を使う手口もあるようです。購入してきた印紙を大量にカラーコピーして課税文書に貼り付けて使用するわけですが、「色や質感からプロが見ればすぐにわかる」とのこと。私でも見分けがつきそうな感じがします。
さらに、収入印紙を買って租税公課として経費処理した後に、換金ショップで現金化するケースも多いと聞きます。こちらは「換金ショップへの資料情報調査等で発覚する」と言っています。
ところで皆さん、収入印紙のデザインは不定期に変更されているということをご存知ですか?
収入印紙は桜の花をモチーフにしたデザインになっていますが、実は微妙に図柄が変更されているのです。過去に購入したものが残っていて、それを現在使用したということはあり得る話ですが、その逆、つまり、まだ発行されていないはずの印紙が契約書に貼られているということは不可能です。
印紙税担当の調査官は、年別の収入印紙の図柄が一目でわかる資料を携帯しており、課税文書が作成された年には存在しない収入印紙が使われていないかもチェックしているのです。
印紙税は「課税文書の作成時点」に納付義務が発生します。その時に納付(収入印紙の貼付)をしてなく、調査を予知して後から貼ったような場合には「過怠税」(罰金的な税金)の対象となります。そして、それを見つけた調査官は税務署内では高評価に繋がるようですので、俄然、気合も入ってきます。
過怠税の対象となりますと、最大で本来納付する印紙税額の3倍の金額となります。収入印紙が必要となる課税文書の取扱いには十分注意したいものです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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