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完璧な節税スキームはない

2013.02.27

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.32

 

■ 完璧な節税スキームはない

 節税スキームを売るコンサルタントは以前から存在しますが、最近はネット上で、

節税方法が出回っていたりします。また、経営者仲間の間では、「うちはこういう

方法で節税したよ」という情報が飛び交ったりもするのでしょう。

 

 「節税」という言葉を使っている限りは、本来「合法」なのですから、税務調査

で絶対に否認されないはずなのですが、実際はそんなことはありません。実は「節

税スキーム」といいながら、「租税回避スキーム」だったりするわけです。

 

 「節税」と「租税回避」の何が違うかといいますと、「節税」とは法律上認めら

れた行為で、一方「租税回避」とは、部分的に見ると正しい行為の組み合わせなの

ですが、全体としては不自然な行為で、納税額を不当に減らすことです。

 

 わかりにくいので、いくつかの租税回避行為を例示しておきましょう。

【消費税免税スキーム】

新規設立法人は、最初の1年もしくは2年間は消費税を納める必要がありません。

これを悪用して、1・2年ごとに会社を設立して消費税を免れようとするスキーム

です。

 

【法人税率引き下げスキーム】

(小規模な)法人は所得(利益)が800万円までの部分は税率が低くなります。

ここに着眼して、たくさんの法人を設立して利益を分散することで、全体として法

人税の金額を下げようするスキームです。

【管理会社スキーム】

 

個人で不動産収入が多額にある場合、親族が役員になった不動産管理会社を設立

し、その会社に多額の不動産管理手数料を支払うことで、所得を分散し、全体とし

て納税金額を減らすスキームです。

これらのスキームはすべて、単純かつ明快なのですが、税務調査で否認されない

かというと、否認される可能性は高いのです。1つ1つの行為は法律に則っている

にもかかわらずです。

 

上記のスキームを見ればおわかりのとおり、いくら法律的には正しいとしても、

全体としてみれば明らかに税金の額を減らそうという不自然な行為なのです。

このような行為を、税務署が「確かに法律に違反しているわけじゃないので認めま

すよ」というわけがありません。

 

節税と租税回避の境目は曖昧なのですが、絶対に否認されない節税スキームはな

いと肝に銘じておくべきでしょう。

 

(つづく)

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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