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税務調査で言ってはならないこと

2013.02.18

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.31

 

■ 税務調査で言ってはならないこと

 税務調査を何度か受けると、不条理に感じることがあります。その典型例は、前

回までの税務調査で否認指摘を受けなかったのに、今回の税務調査で否認指摘を受

けることです。

今までの税務調査では通ったのだから、今回も大丈夫だろうと思うわけですが、

ここで言ってはならないことがあります。それは「以前の税務調査ではダメだと言

われませんでしたよ!」という言葉です。

 

調査官:「これは認められませんね。」

 

社長:「何を言ってるんですか?以前の税務調査では何も言われませんでしたよ!」

 

調査官:「それは、以前の担当調査官が気付かなかっただけでしょう。」

 

社長:「それはおかしいでしょう。こちらも以前は何も言われなかったのですから、

そのまま処理していて、何がおかしいんですか!」

 

調査官:「わかりました。本当は修正を3年で済ませようと思っていましたが、そ

うおっしゃるなら7年分修正してもらいましょうか。」

 

社長:「・・・」

 

「火に油を注ぐ」とはまさにこのことで、以前の税務調査で指摘されなかったこと

を主張すれば、調査官としては最大年分まで遡って追徴税額を払わせよう、と思う

わけです。本来は3年分誤りを修正すればよかったものを、余計なことを言ってし

まったばかりに、7年分も修正しなければならないのであれば、藪蛇(やぶへび)

です。

 

上記の調査官とのやり取りの中で、調査官が主張していることの方が正しいので

す。つまり、以前の税務調査で何も言われなかったとしても、それが今後も大丈夫

だということの保証ではない、ということです。これは法律的にも正しいといえま

す。税務調査は将来の正しさを保証する行為ではないのです。

 

税務調査というのは、日数も限られていますし、調査官によって見るポイントも

違います。ですから、誤りがあっても気付かれないこともあります。これが現実で

す。だからこそ、その「非」を攻めてしまうと、調査官も「実際に間違っているの

だから、じゃあいくらでも遡って追徴するぞ」となってしまうわけです。

調査官も人間です。こちらが煽るようなことを言えば、感情的になるのも当然だ

といえるでしょう。「以前の税務調査ではダメだと言われませんでしたよ!」とい

う言葉は、グッと飲みこむようにしましょう。

 

(つづく)

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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