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重加算税の具体例
2012.12.19
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.26)
■重加算税の具体例
前トピックから引続き、重加算税に関してさらに詳細に説明をしていきましょう。
重加算税は、税務調査で最も問題になりやすい項目であり、かつ法律的にはかな
り深い項目でもあるのです。
具体的に「隠ぺいまたは仮装」を例示すると、次のような行為を指すことになりま
す。(あくまでも「例示」であることをお忘れなく)
(1) 隠ぺい
①二重帳簿の作成:税務署や税理士に見せる帳簿と、本当の帳簿を分けて作ってい
た場合
②売上除外:売上をわざと少なくしていた場合
③架空仕入:実際には存在しない仕入を帳簿上あったようにしていた場合
④架空経費:実際には存在しない経費を帳簿上あったようにしていた場合
⑤棚卸資産の除外:在庫がある会社で、決算時の棚卸を実際により少なくしていた
場合
⑥雑収入の除外:会社が得る副収入をわざと申告しなかった場合
(2) 仮装
①取引上の架空名義の使用:存在しない取引先名を使っていた場合
②通謀虚偽表示:取引先と共謀して、実際には存在しない取引をあるようにみせか
ける、または金額を変えたような場合
③虚偽答弁:調査官の質問に対して嘘の回答をした場合
これらはあくまでも、「こんな悪いことをしていたら重加算税が課されますよ」
という例示に過ぎませんが、重加算税が課される要件はおわかりいただけたのでは
ないでしょうか。
さて、ここで非常に重要なことは、あくまでも重加算税の要件は「隠ぺいまたは
仮装」の行為があったということです。調査官がよく「これは不正だから重加算税
だ」と指摘することがありますが、それは間違いです。「不正」をしたから直ちに
重加算税になるのではありません。
また、よくありがちな指摘としては、単純な「誤り」を重加算税だと言われるこ
ともありますが、これも誤りです。例えば、接待交際費をクレジットカードで支払
い、クレジットカードの明細書で経費処理したにもかかわらず、店からもらった領
収書でも経費処理してしまった場合、結果的に経費の2重計上となり、調査官は
「重加算税ですね」と言ってきます。しかし、「わざと」経費の2重計上をしたの
ではなく、誤って経費処理してしまっただけであれば、重加算税にはならないので
す。
調査官の言い分を鵜呑みにはせず、重加算税の要件を満たしているかどうか良く
確認して判断してください。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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