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重加算税の要件とは?
2012.12.08
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.25)
■重加算税の要件とは?
税務調査で指摘される税務処理上の誤りは、会社によって多種多様なのですが、誤
りの内容によって「加算税」が異なってきます。つまり「過少申告加算税」か「重加
算税」かです。
重加算税とは、通称「ジューカ」と呼ばれており、払うべき税金が35%も上乗せ
され、さらに延滞税(税金の利息部分)が高くなるという、まさにダブルパンチです。
国税庁の最新の発表によると、税務調査で重加算税が課される割合は「20.6%」
にもなります。つまり、5件に1件の割合で重加算税が課されているのというのが現
実なのです。本当に恐ろしいことです。
もちろん本当に「脱税」など悪いことをしていれば、重加算税を課せられて当然、
というわけなのですが、税務調査の現場では、そんな悪いことを認識がなくても、
「重加算税だ」と調査官から指摘されるケースも多々あるので注意が必要です。
では、重加算税を課される要件というのは、どういったものなのでしょうか。ここ
では、経営者として最低限知っておくべきことだけを書いておきましょう。
重加算税が課される要件は、法律で明記されています。簡単にいうと、「隠ぺい又は
仮装」したことです。逆にいうと、「隠ぺい又は仮装」をしていなければ、重加算税
は課されないということです。
まず、「隠ぺい又は仮装」という言葉から連想される(悪い)行為を想像してみて
ください。
「隠ぺい又は仮装」という言葉は、考えてみると「故意=わざと」という意味合い
を含んでいます。「故意ではない隠ぺい」も「わざとじゃない仮装」もありえないの
です。
「隠ぺい又は仮装」とは漠然とした言葉ですが、これを裁判所は次のように定義し
ています。
『「事実を隠ぺい」するとは、事実を隠匿しあるいは脱漏することを、「事実を仮装」
するとは、所得・財産あるいは取引上の名義を装う等事実を歪曲すること。』
(和歌山地裁昭52・6.23判決)
つまり、「わざと」何かを隠すことを「隠ぺい」、「わざと」何かを書き変えたりす
ることを「仮装」としています。こう聞くと、確かに悪いことをした会社が、重加算税
を課されるのだということが、漠然とでもおわかりいただけると思います。
そして、重加算税を課されると今後も税務調査に入られやすくなるということも覚え
ておきましょう。税務署からすれば、過去に「隠ぺいまたは仮装をした会社」と判断す
るわけですから、当然の結果かもしれません.
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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