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なぜ税務調査に入った?②

2012.09.27

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.18)

 

■なぜ税務調査に入った?②

税務調査に入られる理由はいくつかあるのですが、前項で書いた以外にも、「広

域調査」と呼ばれるものがあります。

 

広域調査とは、いくつかの税務署の管轄にまたがって、同時に行われる税務調査

のことです。具体的には、親・子会社や関連会社がいくつかあり、その登記場所が

バラバラの場合に、それらの会社に一斉に税務署(調査官)が入り、税務調査を実

施するケースです。

 

もちろん、関連会社がいくつかあるからといって、絶対に広域調査が行われると

いうものではありません。しかし、広域調査が行われる場合は、そのほとんどが無

予告調査(事前に通知のない税務調査)になります。というのも、事前に連絡をす

ると、関連会社同士で数字を合わせたり、税務署には見せられない資料を破棄した

りする可能性が高くなるからです。

広域調査はかなりやっかいで、複数会社、しかも実質的には同じ経営者である法

人に、同時に税務調査が行われるわけですから、対応するだけで大変なことになり

ます。

 

また、似たような税務調査の種類に「同時調査」があります。同時調査とは、2

つ以上の税目の税務調査を同時並行して行われる調査のことを指します。

税務署は、法人税=法人課税部門、所得税=個人課税部門、相続税=資産課税部

門など、税目(税金の種類)ごとに部署が分かれていて、通常は1つの部署だけで

税務調査を行うものなのですが、何か理由がある際には、複数の部署が合同で税務

調査を実施することもあります。これを同時調査と呼んでいます。

 

また、会社に対する税務調査であっても、法人税のみならず、消費税や源泉所得

税、印紙税なども同時に調査の対象となり、このような場合も同時調査と呼ばれる

ことがありますが、これは一般的な税務調査だと思っていただいて結構です。

法人税と所得税の部署が合同で行う税務調査の場合、過去に個人事業主であった

方が、法人を設立(いわゆる法人成り)していたという経歴があり、法人税も所得

税も同時に調査しなければならないケースが多いようです。

 

また、経営者が亡くなられた場合に、相続税には会社の株式の評価などが絡むこ

ともあり、相続税の調査のみならず、法人税の調査も同時に行われる場合もありま

す。

 

税務調査にもいろいろな種類のものがあり、一筋縄でいかないということだけで

も知っていただければと思います。

 

(つづく)

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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