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調査官のノルマ
2012.07.02
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.9)
■調査官のノルマ
「税務署の調査官は、ホント無理やりでも追徴税額を持っていこうとしますよ
ね。」税務調査を何度か経験したことがある社長さんなら、皆さん思っているこ
とでしょう。
ここで気になるのは、調査官のノルマです。「車のディーラー営業マンに販売
台数のノルマがあるように、調査官にも追徴税額のノルマがあるのかな?」と疑
いたくなる気持ちはわかります。
実際のところは、調査官に追徴税額のノルマはありません。「今月は○百万円」
の追徴税額を課してこい!」とは言われていないのです。
しかし、調査官に全くノルマがないわけではありません。「追徴税額にはノル
マがない」のですが、「税務調査の件数にノルマがある」のです。
調査官は1年間を通じて税務調査を行っていますが、その間に、30件程度のノ
ルマを課せられています。このノルマを達成できないと、まさに税務署内で問題
なるのです。
1年間は52週ありますが、休みなどを除くと働いている週は実質35~40週程度で
すから、1人あたりの調査官で、1週間に1件の税務調査を実施しているイメー
ジとなります。
なぜ調査官に、税務調査の件数ノルマがあるかと言いますと、税務調査の実地調
査率を上げるためです。
「最近の税務行政の動向」(Yahoo等でこの言葉で検索するとトップに出ます)
https://www.nta.go.jp/about/council/shingikai/110303/shiryo/pdf/04.pdf
の6ページにもある通り、国税は実調率(実地調査率)を公表しています。実調
率とは、税務調査をすべき全体件数のうち、1年間でどれだけの税務調査を実際
に行ったのか、率で算出したものです。
この資料にもある通り、法人の実調率は4.6%となっています。つまり、現在は
税務調査があまり行えていないため、平均すると20~25年に1回しか税務調査に
来ないというわけです。(もちろん単純平均の話です)
これでは課税の公平性を守れません。なぜなら、税務調査にあまり入らないこ
とがわかれば、真面目に申告・納税する人の数は減るからです。
そのためにも、調査官にそれぞれ税務調査件数のノルマを与えることで、実調
率を上げようとしているのです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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