お知らせ・ブログ
News&Blog
人件費の考え方
2017.03.21
経営者が人件費を考えるときには、労働分配率を基準にすることをお勧めしています。
労働分配率とは、【人件費】÷【粗利益額】の比率です。粗利益から人件費に配分した比率なので、【労働分配率】と呼びます。
日本は労働分配率が高い国で、一般的な企業の分配率は50%前後です。
コストの中で最も比率が高いコストが【人件費】であるといえます。
結果として、『人件費を減額すると利益が出る』という勘違いに結びついてしまいます。
企業は人が作り人が育て、人の成長が利益の増加につながる、ということはいずれの企業でも当てはまりますので、単純に【人件費の減額】が【利益増加】に結びつくことは稀なケースです。
しかし、労働分配率が70%~80%では、企業として存続は困難でしょう。それではどうすれば良いのでしょうか?
有るべき姿を設定する
有るべき姿とは、【労働分配率は低く、一人あたりの人件費=粗利額は高い。】です。
これに尽きると思います。
科 目 |
金 額 |
対粗利比率 |
改善後 |
対粗利比率 |
|
売上 |
1,000,000 |
20%アップ→ |
1,200,000 |
||
仕入 |
280,000 |
原価率3%ダウン→ |
240,000 |
||
売上総利益 |
720,000 |
960,000 |
|||
人件費:社員2名 |
530,000 |
73.6% |
給与アップ |
600,000 |
62.5% |
地代家賃 |
150,000 |
20.8% |
150,000 |
15.6% |
|
他固定費 |
60,000 |
8.3% |
60,000 |
6.3% |
|
経常利益 |
△20,000 |
△2.8% |
黒字転換 |
150,000 |
15.6% |
労働分配率 |
73.6% |
分配率ダウン |
62.5% |
||
1人当たり粗利益 |
360,000 |
480,000 |
|||
1人当たり人件費 |
265,000 |
3.5万円給与アップ |
300,000 |
上記、分かりやすく単純化した改善事例です。
『売上20%アップ、原価率3%ダウンできたら、月給与全員35,000円昇給します。』という辞令を出したら黒字転換した、というストーリーです。
単純には行かないものですが、人は目標が明確になって、はっきりとしたメリットを与えられると、予想以上に成果を出すものです。
何しろ、利益を出している会社のほとんどが、このようなロジックで利益をあげているのですから。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
税理士法人レガートは、中央区銀座より様々な情報発信をしております!
税務・会計に関するご相談は、お気軽にご連絡ください。
詳しくは「税務会計顧問サービス」をご覧ください。