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「妻を役員にする」

2016.08.23

会社を作った社長から、こんな質問がありました。

「うちの奥さん、会社のこともやってもらっているのだけど、役員にした方が良いのかな?」
「妻に、株を持ってもらった方が良いのかな?」

 奥さんを役員や株主にした時に、どんなメリットやデメリットがあるのか、という質問でした。そこで、社長の妻を株主や役員にするときのポイントをまとめてみました。

 

【1】奥様を株主にした場合

 株式を持つことは、下記の観点でメリット・デメリットがあります。それぞれの観点を総合的にみて、株式を持ってもらうかどうかを判断するとよいでしょう。

(1)意思決定者という観点

 株主は会社の意思決定者です。所有に応じて決定権があります。2名の株主が50%ずつにした場合には意見が2分することになりますので、デメリットとなります。代表者が50%以上所有していれば、意思決定上のデメリットはありません。

(2)みなし役員に該当するという観点

 株式を所有している場合で一定の時は、役員登記をしていなくとも役員とみなされます。これを“みなし役員”と言います。

 奥様に株式を持たせた場合、この“みなし役員”に該当する可能性が高くなり、『定期同額にしなければならない』『賞与が損金にならない』という役員給与の制限を受けることになるので、株式を持たせる場合には注意が必要です。

(3)株式の資産価値という観点

 会社が成長し内部留保が拡大したときには、所有する株式に資産価値が生まれます。株式の移動(相続や贈与、売買)の時には、税金が発生することがありますので、将来、奥様が所有する株式を移動する時には注意が必要です。

(4)配当支給という観点

 株式を所有していると給与以外に配当金の支給をすることができます。

 

【2】奥様を役員にする場合

 メリット・デメリットを簡単にまとめました。

(1)メリット

 1.役員=経営者となるため、経営責任に応じた役員報酬を支給できる。
 2.対外的に責任者として対応できる。

(2)デメリット

 1.謄本に氏名住所が開示される。
 2.役員に対する給与は、定期同額給与の制限を受ける。
 3.賞与が損金にならない。
 4.対外的な訴訟の時には、経営者責任が発生する。

 さてどうでしたか?いろいろな面がありますが、本質は【人生のパートナー】が【会社のパートナー】にもなる!!、ということが、最も素晴らしいことかもしれませんね。

税理士法人レガート 税理士 土田拓己

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