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「ヤフー 追徴課税の取消しならず!」

2014.06.12

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.73) 

 

■「ヤフー 追徴課税の取消しならず!」

インターネット検索大手の「ヤフー」が、企業買収によって引き継いだ大型赤字

の損金処理を国税当局から否認されたことを受け、追徴課税の取消しを求めて裁判

で争っていましたが、東京地裁はヤフーの請求を棄却し、国税当局の処分を支持し

ました。

否認された大型節税とは次のような内容です。

平成21年2月、ヤフーは「ソフトバンク」の100%子会社であった「IDCS」を

買収し、その翌月に同社を吸収合併しました。IDCSが抱えていた540億円とい

う巨額の繰越欠損金を引き継いで、それを自社の損金に計上して申告したのです。

 

そうしたところ、国税当局から「企業再編税制を利用した節税目的の行為」とし

て否認され、過少申告加算税を含めて約180億円の更正処分を受けました。

ヤフーとしては、法に則り、税務上の規定はすべて満たしたうえで行ったもので

したが、税務署からは、合併そのものが赤字の引き継ぎを目的とした「異常」かつ

「変則的」なものとみなされ、「租税回避目的の合併」として否認され、裁判所も

税務署の判断を支持したわけです。

 

一つ一つの要件は全てクリアしていても、全体として見た場合に納税額を不当に

減少させる結果となる取引については、その行為又は計算にかかわらず、税務署長

の認める方法によって税額を計算することができるという、「行為計算の否認」規

定(法人税法132条、132条の2)が存在します。国税当局にとっての『伝家の宝刀』

ともいわれています。

 

今回はこの「行為計算の否認」規定が課税根拠となったため、大きな注目を浴び

ました。

ここで皆さんにお伝えしたいのは、この「行為計算の否認」規定は大会社だけに

限った話ではなく、中小企業にも適用される規定だということです。

 

めったに使われる規定ではありませんが、目に余る行為に関してはこの「伝家の

宝刀」で否認してくることも考えられます。

くれぐれも過度な節税にはご注意ください。

 

なお、棄却判決を受けたヤフーは控訴しており、二審の判断にも注目が集まるも

のと思われます。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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