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「税務調査における正しい主張方法」
2014.04.23
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.70)
■「税務調査における正しい主張方法」
今回は、税務調査において調査官から否認指摘された場合に、どのように主張・
反論すればよいかをご説明します。
調査官から否認指摘され、それに対して主張や反論する場合には、外してはなら
ない3つの前提条件と、4つの原則があります。
≪3つの前提条件≫
1.論点を明確にする
調査官から否認事項として指摘された場合に、何が論点となっているのかを明確
にし、後から違った問題にすり変わることがないようにすることが大切です。
税務調査は数日にわたって行われることがありますので、一日ごとに、その日の
指摘内容と論点を確認し、明確にしておくようにしましょう。
2.「法令解釈」なのか「事実認定」なのか整理する
税務調査で否認される原因は、「法令による解釈の相違」と「事実認定の問題」
の二つに区分されます。したがって、調査官の指摘していることが、この二つのど
ちらに該当するものなのかをハッキリさせることが必要です。
例えば、社長の妻に給与を支払って経費にしていた場合において、勤務の実態が
あっての否認事項であれば前者の「法令解釈の相違(金額の多寡の問題)」となり
ますが、そもそも勤務の実態がない場合の否認事項であれば後者の「事実認定の問
題(事実の有無の問題)」となります。後者の事実認定が否認原因となっている場
合には、法令解釈で主張・反論しても意味がなく、事実を証明して反論することが
重要となります。
3.否認指摘の根拠を明示させる
調査官から否認指摘された場合には、否認する根拠を相手に明示されることが大
切です。これは納税者が行うことではなく、否認しようとする調査官に「させる」
ものです。
何が問題なのか、それは「法令解釈の相違」なのか「事実認定の問題」なのかを、
必ず調査官に説明させるということです。
≪反論時の4つの原則≫
1.否認根拠だけを反論する
論点となっている否認事項だけ
を反論すればよく、余計な議論や反論はしないこ
とです。違った反論材料を出してしまうと論点がボケてしまい、収拾がつかないこ
とにもなりますので、調査官が問題としている点に限定して反論することが大切で
す。
2.「ゼロ」か「100」かの争いは避ける
100%自信のある内容であれば別ですが、グレーな内容に関して、「ゼロ」か
「100」かといったように一切妥協しない争いは、調査が長引く危険性もあり、決
して有効なものとはいえません。早く調査を終えるためにも、落とし所を探りなが
ら交渉をすることが上手な対応といえます。
3.経営的視点から主張する
利益を圧縮するような行為が否認事項として指摘された場合、仮に指摘された内
容が「節税」を意図して行ったものであったとしても、「会社経営の観点から必要
な経済行為である」ことを主張することが大切です。利益が減ってしまったのは結
果論であり、あくまでも経営的視点から行った取引であることを主張するようにし
ましょう。
4.重加算税対象でないことを先に確認する
否認されて修正申告に応じる場合、結論が出た後に「これは重加算税の対象とな
ります」と言われることがないよう、交渉段階から重加算税でないことを確認し念
押しをしておくことも必要です。
調査官は自分の評価を高めるため、少額でも重加算税を取りたいのが本音です。
仮に修正事項が生じた場合には、修正金額の交渉段階で加算税の確認もしておくよ
うにしましょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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