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決算月はいつにする?変えてみる?

2015.12.10

 法人は事業年度があります。法人の決算事業年度は、1年以内で自由に設定することができます。一般的には、1年間です。これを会社の基本ルールである『定款』に定めます。

 では、決算月は何月にするのが良いでしょうか?基本的な考え方を解説します。

(1)親会社がある時

 親会社との連結決算の必要がある場合は、無条件に親会社の決算期に合わせるべきでしょう。親子会社で決算期が異なると、連結決算が煩雑になる恐れがあります。

(2)商品を取り扱う事業の場合

 決算末日には、必ず棚卸をしなければなりません。商品売買の仕事をする会社は、棚卸が大量にあると大変です。なるべく在庫が少なくなる月を決算月とする、という事も一つの考え方です。

 最近はシステムで在庫管理を常時実施している会社が多いので、棚卸作業の手間という面ではあまり考慮しなくてもよい、という会社もあるかもしれませんが、決算書に多額の棚卸商品が計上される、という事は、決算書の評価でのデメリットになりますので避けるべきでしょう。

(3)季節変動がある場合に節税を考えて決める方法

 1月~12月の売上・利益の変動がある程度読める場合は、利益のピークが上半期に来るように決算期を決めましょう。

 上半期で利益が大きく計上されても、下半期で税務対策をとることができます。決算月に最大の利益が計上されてしまうと、全く対策ができずに納税額が決定されてしまいますので、これを避けるようにしましょう。

(4)初年度を12か月にする

 事業開始の時に、設立第1期と第2期は消費税免税事業者に該当することがあります。免税期間を最大にするために1期目を12か月にする、という事も税務面で良い方法です。

(5)決算期の変更

 決算期を設立の時に決定しますが、事業を進めると不都合が出てくることがあります。その時には、事業年度を変更することもできます。

 事業年度の変更は、登記する必要はなく、税務署等に“異動届”を提出するだけで変更できます。添付資料として、変更後の定款と事業年度変更の決議をした株主総会議事録を添付します。比較的簡単にできることですが、税務と会計に大きく影響があるので慎重に判断しましょう。

税理士法人レガート 税理士 土田拓己

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