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『中古資産を購入すると節税できる』を検証する
2021.08.30
中古資産を購入すると節税になる?
『節税のために中古資産を購入する。』
会計の打合せの時に、話題になる話です。
本当に節税になるのか、新品と中古とどこが違うのかを、税金の面から解説します。
減価償却とは
減価償却の計算の仕組みが、中古資産の購入の時の計算のカギになります。
減価償却とは、固定資産などを購入した時に、購入した全額をその年の経費にせず、一定の年数(耐用年数)に分割して経費にする計算の仕組みです。
具体的には下記のような計算をします。
- 車両を100万円で期首に購入
- 法定耐用年数は、6年。償却方法は定率法。
この場合の減価償却費は下記のような計算です。
1年目 100万円×0.333=333,000円
2年目 (100万円-333,000)×0.333=222,111円
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このように、減価償却とは、100万円の固定資産を6年間で経費化する仕組みです。
中古資産と新品の減価償却の違い
減価償却の計算で、【中古】と【新品】で異なる計算をするのは、【耐用年数】です。
中古資産の耐用年数は、「合理的に見積もった年数」とするのが原則ですが、見積もることができないときは、下記の簡便法の計算の結果を見積もり耐用年数とします。
簡便法
- 法定耐用年数を経過している場合
法定耐用年数×20% - 法定耐用年数を経過していない場合
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
※1年未満切り捨て。2年未満になるときは、2年とする。
具体的には下記のような計算になります。
- 3年落ちの車両を100万円で期首に購入。
- 法定耐用年数は、6年。償却方法は定率法。
見積もり耐用年数(6年-3年)+3年×20%=3年→償却率0.667
1年目 100万円×0.667=667,000円
2年目 (100万円-667,000円)×0.667=222,111円
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このように、耐用年数が短くなるので、初年度の償却費が大きくなりました。
中古資産にすると、減価償却が早く進むので、経費にするスピードが早くなります。
上記の事例では、総額の100万円が経費になることは同じですが、新品だと6年かかり、中古だと3年で経費に計上することができました。
さて、同じ車両で4年落ちだったらどうなるか、見てみます。
- 4年落ちの車両を100万円で期首に購入。
- 法定耐用年数は、6年。償却方法は定率法。
見積もり耐用年数(6年-4年)+4年×20%=2年→償却率1.000
1年目 100万円×1.000=100万円
上記のように、耐用年数が2年になると、初年度に全額経費化できます。
期中に購入した場合は、月割り按分が必要ですので全額経費にできませんが、期首に購入した時は、全額経費にすることができます。
これが、『節税のために中古資産を購入する。』のからくりです。
検証のまとめ
期首に、見積もり耐用年数が2年になる中古資産を購入したら、固定資産でも全額経費にして、節税できる!!
以上、ご参考になれば幸いです。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
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