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相続税の税務調査の事前対策(その5)

2020.09.08

今回は前回の記事「相続税の税務調査の事前対策(その4)」に引き続き、「相続税の税務調査の事前対策」の5回目をお送り致します。

今回は「相続税の税務調査の事前対策(その5)」です。
では、ご覧下さい。

気が抜けない午前の部のヒアリング調査(3)

前回の記事に続き、調査当日のヒアリング(質問)の内容について具体的に説明して参ります。
調査官のヒアリング(質問)には必ず意図があります。何のためにそのような質問をするのか、質問の意図や目的も理解しながら読み進めていただけると幸いです。
なお、項目のナンバーは前号からの通し番号になりますのでご了承ください。

7)死亡原因・病歴・入院時等の状況に関する質問

この質問も後で行う現物確認の際の布石となるものです。死亡直前の被相続人の言動や意思能力はどうであったのか、つまり、一人で外出はできたのか、会話はできたのか、文字は書けたのか、意思決定する判断力を持ち合わせていたのか、といったことを確認するための質問です。

例えば被相続人の死亡直前に被相続人の預貯金の口座から引き出しがあった場合、それが被相続人自らの行動によって引き出されたのか、あるいは、被相続人自身は健康上の理由があって家族が代行したものなのか、はたまた、被相続人の知り得ないところで引き出されたものなのか、調査官が引き出されたお金の性格を推認するために必ず必要となるのが被相続人の死亡直前の健康状態に関する情報なのです。

仮に家族が預金からの引き出しを行っていた場合、それが被相続人の健康上の都合で家族が被相続人からの指示で代行していたものであるときは、その引き出した現金はその後どのように使われたのかが問われることになります。被相続人の生前の健康状態に関する質問は、相続財産としての判断を行う上で非常に重要な意味をもつことになるので注意が必要です。

そのため、被相続人の判断能力も含めた健康状態と、被相続人の死亡直前の預貯金の引き出し状況は、調査官にとって最も関心の高いものといえます。
死亡日前に引き出された現金が、被相続人の生前の生活費や医療費などに使われていたことが証拠資料を添えて説明できれば問題となることはありませんが、引き出された現金が相続開始日において自宅に保管されていたり家族名義の口座に入金されていたものに関しては、相続財産と認識しなければならなくなります
相続税の税務調査では、被相続人の死亡直前に引き出された現金が申告漏れとして指摘されるケースが非常に多いので、特に注意を要する点になります。

事前の準備としては、死亡日前の預金通帳を見直してみて、引き出された現金の使途が説明できるかどうか、被相続人の健康状態と合わせて確認しておくことが必要となります。

8)生前の贈与に関する質問

調査官は、被相続人の預貯金とともに家族名義の預貯金の残高や動きについても、事前に調べてから実地調査に臨んでいることが殆どです(東京国税局管内の場合)。
そして、家族名義の預貯金の残高が多い場合には、その形成過程を確認し、名義人本人の固有の財産なのか、あるいは実質的には被相続人の財産となる「名義預金」なのかを調査することになります。その形成過程の確認の一環が、被相続人からの贈与の有無の質問です。

例えば、専業主婦の妻が数千万円の預貯金を保有していたとしましょう。調査官が「生前にご主人(被相続人)から贈与されたものはありますか」と質問をしたとき、実は調査官は、妻からは「ありません」と回答してくることを内心期待しているのです。
何故ならば、無収入の専業主婦が、夫からの贈与もなしに、数千万円の預貯金を保有しているとなると、他に形成手段が説明できない場合には名義預金と認定できる可能性が出てくるからです。
従って、贈与の事実があった場合には正直にその旨を回答することがベストです。

贈与は、贈与者の「意思表示」と、受贈者の「受諾」で成立する諾成契約であり、口頭でも両者の合意があれば成立するものです。
上記の例であれば、夫から贈与の意思表示があり、妻が受諾して妻の口座に夫から資金が移動されていた場合には、立派な贈与契約に基づく贈与が行われていたことになります。
そのため、贈与後の預貯金を妻自身が管理支配している限りにおいては妻の固有財産となるため、名義預金と認定されることは全くないのです。
生前の贈与に関する質問は、名義預金の有無を判断するための布石であるということを認識して回答するようにしましょう。

なお、贈与の事実があり、贈与で取得した金額の年間合計額が贈与税の基礎控除額(110万円)を超える場合には、贈与税の申告と納税が必要となりますが、贈与税に関しては申告期限から6年経過したものについて課税することができない(時効)とされている(相続税法第36条)。

そのため、仮に贈与の事実があったけれども、贈与税の申告をしていないものがある場合には、贈与税の期限後申告の是非を検討することが必要になります。また、相続開始前3年以内の贈与については相続財産に加算して相続税を計算しなければならないため、それらの点も事前の準備として確認しておくことが必要となります。

午前の調査官からのヒアリングはまだまだ続きます。この続きは次号でお伝えいたします。

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税理士法人レガート 税理士 服部誠

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