お知らせ・ブログ
News&Blog
内部留保(利益剰余金)の重要性
2020.08.28
2020年は、災害や新型コロナウイルス感染症などによって、激動の年となっています。関連する企業倒産も増加しているように、今後はあらゆる企業で資金繰りが厳しくなると予想されます。
ただ、このような状況だからこそ、自社の内部留保が潤沢であるかどうかを見ておくことが大事です。内部留保をきちんと確保しているかどうかが、存亡の分かれ目になるためです。
利益剰余金がどう企業経営に関係するのかを確認し、あわせて内部留保の増やし方についてもチェックしておきましょう。
内部留保(利益剰余金)
そもそも内部留保とは、事業で生まれた利益のうち、会社に残っている金額のことです。具体的には、貸借対照表の純資産(右下)の中の、〖利益剰余金〗として表示されています。
下の図をご覧ください。
貸借対照表 | |
---|---|
資産の部 | 負債の部 |
純資産の部 (1)資本金 5,000,000 (2)利益剰余金 100,000 |
図では資本金が500万円で、利益剰余金が10万円となっています。このような会社で、仮に決算の赤字が600万円になると、途端に『債務超過(資産<負債)』の状態になってしまいます。
御存知の通り、債務超過の状態では、銀行からの資金調達に支障をきたすこととなります。
内部留保が資金調達を左右する
では、内部留保が潤沢の場合はどうでしょうか。先ほどと同じ500万円の資本金で、利益剰余金が1,000万円ある場合を考えてみましょう。下の図をご覧ください。
貸借対照表 | |
---|---|
資産の部 | 負債の部 |
純資産の部 (1)資本金 5,000,000 (2)利益剰余金 10,000,000 |
このような場合、先ほどと同じく600万円の赤字があっても、債務超過にならず、資金調達が可能です。たとえ業績が悪化していても、翌期に資金調達をして業績を回復させる手段が取れます。
このように、内部留保の大きさが企業の生き残りの分かれ道になります。利益剰余金がいかに重要なのか、お分かりいただけたでしょうか。
内部留保の増やし方
では、内部留保を大きくするにはどうしたらいいでしょうか。利益剰余金の正体は、過去の『税引後利益』の積み重ねです。つまり、利益剰余金を大きくするには、『税引後利益』を大きくしなければなりません。
具体的には、『利益を大きくして、納税した後の税引後利益』を毎期積み重ねることが、内部留保を潤沢にする唯一の方法となります。ポイントは、利益の拡大と納税です。
『税金は喜んで払いなさい』
成功した企業の経営者の言葉には、『税金は喜んで払いなさい』というものが散見されます。納税は、社会貢献という側面だけでなく、利益剰余金(内部留保)を確保することにもつながるためです。
内部留保をきちんと確保していることが、資金調達を可能とし、ひいては企業経営を安定化させます。そのために、経営者は『喜んで納税する姿勢』を持つようにしましょう。
ただし、納税には専門家の知見が欠かせません。無理に納税額を増やそうとするのではなく、信頼できる税理士と相談しながら、内部留保、利益剰余金、そして納税について検討してみてください。
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
税理士法人レガートは、中央区銀座より様々な情報発信をしております!
税務・会計に関するご相談は、お気軽にご連絡ください。
詳しくは「税務会計顧問サービス」をご覧ください。