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コロナ禍における『家賃支援給付金』の現状について
2020.08.20
今回は、7月14日に申請受付が開始された「家賃支援給付金」の現状についてお知らせいたします。
想像はしておりましたが、やはり現場は相当混乱しているようで、支援金の給付はかなり遅れているようです。
「家賃支援給付金」の現状と今後の見通し
家賃支援給付金の内容と現状
「家賃支援給付金」はこれまでも何度かお知らせして参りましたが、新型コロナウイルスの影響で【売上が減少したテナント】への【家賃を支援する】目的で設けられた給付金で、資本金10億円未満の企業やフリーランスを含む個人事業主、NPO法人などに【現金を給付】するという制度です。
【令和2年5月~12月】の売上で、単月で前年比50%以上、あるいは3ヶ月で30%以上の減少が条件となっており、賃料の額などに応じて一定の割合を支給するものとなっています(法人で600万円、個人は300万円が上限)。
具体的な内容は7月10日の記事をご参照ください。
テナント賃料(地代・家賃)の負担軽減を目的に、大きな期待をもってスタートした制度ですが、申請受付が開始して1ヶ月経過した時点で、申請件数【約29万件】に対して実際に支給された件数は【約2万件】と、1割にも満たない状況です。
これ程までに支給が遅れている理由は、【申請書類が煩雑】なことにあります。原則として
- 賃貸借契約の存在を証明する書類(賃貸契約書や大家の証明書など)
- 申請時の直近3ヶ月分の賃料支払い実績を証明する書類
- 運転免許証などの本人確認書類
- 確定申告書や売上台帳などの売上減少を証明する書類
など、10種類程度の書類の提出が必要になっており、提出書類の不備や記載漏れ等が多いことから、給付金の支払いまでに相当の期間を要している模様です。
今後の見通しと対策
家賃支援給付金の申請は原則オンラインでの申請となっており、必要書類はPDFなどで添付することとなっていますが、申請を受け付けている現場の職員からは、「必要書類が複雑、その中でも特に【賃貸契約書の不備】が多い。」と嘆きの声が出ています。
そのため、今後も給付金の支給までは相当待たされることが予想されます。
また、オンラインでの申請が困難な人向けに各地で「申請サポート会場」が設置されていますが、「申請サポート会場」では数人の職員が持続化給付金の申請と一緒に対応しているため、処理時間と待ち時間がかなり長いのが実態のようです。
「飛び込みで来られても対応できないので、【必ず予約】をしてから来てほしい」と、こちらからも悲鳴が上がっている模様です。
以上のことから、
- 申請するときは経産省のガイドラインをよく確認して【完璧な状態】で申請する。
- 必要書類で少しでも疑問や不明点があれば「コールセンター」に確認する。
- そして、申請しても直ぐに給付金が支給されるとは限らない。
といった覚悟をもつことが必要といえそうです。
なお、経済産業省の「家賃支援給付金」の最新サイトはこちらになります。
家賃支援給付金(経済産業省)
以上、ご参考になれば幸いです。
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税理士法人レガート 税理士 服部誠
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