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相続税の税務調査の事前対策(その1)

2020.08.06

相続税の税務調査の事前対策(その1)

相続税の税務調査は「秋」がピークです。つまり、これから相続税の税務調査のシーズンを迎えることになります。税務調査を上手に乗り切るには、事前準備が欠かせません

そこで、相続税の税務調査が行われることとなった場合、何をどのように準備する必要があるのかを、今回から数回にわたり、「相続税の税務調査の事前対策」について余すことなくお伝えします。
ぜひ、参考になさってください。

相続税の税務調査は「秋」がピーク

税務署の人事異動は毎年7月に行われ、翌年の6月までがその年の「事務年度」となります。たとえば令和2年度の場合、「令和2年7月~令和3年6月」までが税務署の事業年度です。そのため毎年7月は、新しい組織がスタートし、各部門においてこれから行う税務調査の調査先を選定している頃になります。

話変わって、税務署の中でも相続税の税務調査を担当する「資産課税部門」は、相続税の他、贈与税や譲渡所得税の申告書のチェックと調査も担当します。贈与税と譲渡所得税の申告期限は毎年3月15日と決まっているため、「資産課税部門」の職員は、毎年1月~3月までこれらに関するお尋ねや納税者からの相談に追われており、相続税の税務調査どころではありません。
確定申告書の受付が済むと、今度は受理した申告書の事務処理があるため、やはり相続税の税務調査はなかなか行えない事情があります。

そのため、相続税の税務調査は9月~11月の「秋」の期間に集中する傾向がありますが、最近は税務調査スタートの時期が早まり、人事異動直後の7月には調査日の日程の連絡をしてくることもあります。

ところで、「春」に相続税の税務調査が全くないかというと、決してそうではありません。数は少ないかもしれませんが、春にも税務調査が行われています。
ただし、秋の調査と比べて明らかに調査官の力の入り具合が異なりますが、その理由はまた別の機会でお伝えできればと思います。

相続税の税務調査は「事前打ち合わせ」が大切

相続税の税務調査(任意調査)が予告なしに行われることは、まずありません。
納税者(相続人)または税務代理人(税理士等)に対し、調査を行う日時や場所などについての「事前通知」が行われるのが一般的です。
事前通知は、実地調査予定日の2~3週間前頃にあるため、実地調査に備えた打ち合わせや事前準備を行う時間は十分にあります。万が一、実地調査の日程の都合が悪い場合にも、仕事の都合で日程が合わない旨を伝え、日延べしてもらうことが可能です。

相続税の申告後、税務調査の事前通知があるまでは早くても1年、遅い場合には2年位の期間が空くのが一般的です。何故なら調査官は、提出された相続税の申告書をもとに、税務署内でじっくりと準備調査を行ってから実地調査に臨むからです。

一方、相続税の税務調査を受ける納税者(相続人)の方々にとっては、ほとんどが初めの経験であり、不安と緊張が伴うものです。

「どんなことを聞き、何を調べるのだろうか?」
「質問されたらどう答えればいいのだろうか?」
「家の中をくまなく調べ回るのだろうか?」

お客さまに税務調査の印象を伺うと、ほとんどの方が上記のような不安や心配を抱えており、寝つきが悪くなったという声も少なくありません。税務調査に慣れていない方にとって、税務署の調査官が来ること自体に恐怖を覚えてしまうのも無理はなく、そのような不安や緊張を取り除き、調査を無事に済ませるためにも、実地調査に備えた事前の打ち合わせと、しっかりとした「事前準備」が不可欠です。

相続税の事前打ち合わせ・事前準備は専門家とともに

相続税の税務調査の事前の打ち合わせと事前準備は、税務調査に精通している専門家とともに行うのが得策です。税務調査の実態について理解すれば、無闇に恐れる必要はありません。ぜひ、信頼できる税理士とともに、税務調査を上手に乗り越えましょう。

次回は、相続税の税務調査を前提とした「事前打ち合わせ」と「事前準備」とは、具体的にどのようなものなのか、順を追って解説してまいります。

相続税の税務調査の事前対策(その2)へ

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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