相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
小規模宅地の減額の特例を上手に使う(2)
2017.01.13
税理士法人レガートの“相続マガジン”。(Vol.58)
2.事業用宅地
・事業用宅地は400㎡まで80%の減額
商店や個人事務所などが建っている事業用宅地も、後継者が安心して事業が継続できるように、一定条件を満たす場合には相続税の課税価格の減額が行われています。大幅な減額が受けられるのは、後継者が事業用宅地の一部または全部を相続し、事業を申告期限まで継続している場合です。「特定事業用宅地」として、400㎡までの部分が80%の減額になります。
また、貸家やアパートを建てている土地、構築物を有する駐車場を経営している土地に関しては、200㎡までの部分について50%の減額になります。
3.居住用・事業用宅地の併用適用
・条件となる面積を満たすまで、宅地が複数でも適用できます
減額が受けられる居住用宅地と事業用宅地を所有していて、いずれも適用面積より狭い場合は、条件となる面積を満たすまで複数個所で適用できます。
4. 減額特例の計算
ケース①:自宅…特定居住用宅地としての条件を満たしている場合
宅地380㎡ 1㎡あたりの評価額 20万円
通常の評価額 7,600万円
特例…減額割合80% 限度面積:330㎡
〇減額できる額 20万円×330㎡×80%=5,280万円
〇減額後の課税価格 7,600万円-5,280万円=2,320万円
ケース②:店舗…特定事業用宅地等としての条件を満たしている場合
宅地 500㎡ 1㎡あたりの評価額 15万円
通常の評価額 7,500万円
特例…減額割合80% 限度面積:400㎡
〇減額できる額 15万円×400㎡×80%=4,800万円
〇減額後の課税価格 7,500万円-4,800万円=2,700万円
ケース③:アパート・貸店舗…貸付事業用としての条件を満たしている場合
宅地 300㎡ 1㎡あたりの評価額 20万円(貸家建付地評価)
通常の評価額 6,000万円
特例…減額割合50% 限度面積:200㎡
〇減額できる額 20万円×200㎡×50%=2,000万円
〇減額後の課税価格 6,000万円-2,000万円=4,000万円
ケース④:居住用と事業用の併用
居住用宅地 350㎡ 1㎡あたりの評価額 20万円
通常の評価額 7,000万円
事業用宅地450㎡ 1㎡あたりの評価額 25万円
減額前の評価額 11,250万円
特例…減額割合80% 限度面積:居住用330㎡、事業用:400㎡
〇減額できる額 (イ)居住用:20万円×330㎡×80%=5,280万円
(ロ)事業用:25万円×400㎡×80%=8,000万円
〇減額後の課税価格 (イ)居住用:7,000万円-5,280万円=1,720万円
(ロ)事業用:11,250万円-8,000万円=3,250万円
平成27年1月1日より、居住用と事業用については、完全併用が適用できるようになりました。そのため最大730㎡まで80%の減額が可能となりました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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