相続専門の税理士(東京/銀座)税理士法人レガート

相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」

相続税増税に備えて、生前贈与が激増

2014.12.10

税理士法人レガートの“相続マガジン”。(Vol.8)

 

■■相続税増税に備えて、生前贈与が激増■■
 

来年からの相続税増税に備えて、生前贈与の関心が高まっています。昨年の贈与税の申告実績を見ましても、その関心の高さが感じられます。

・暦年課税制度による贈与:12.4%の増加

・相続時精算課税制度による贈与:13.6%増加

・住宅取得資金の非課税の贈与:18.5%増加

このように、相続税増税に備えた生前贈与が盛んに行われていますが、せっかく行った生前贈与も『正しい贈与』を行いませんと、全く無駄な行為に終わってしまうことになりますので、注意が必要です。

では、『正しい贈与』とはどのようなことをいうのでしょうか。

民法 549条には次のように定められています。

「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」

つまり、贈与する人の「あげます」という意志と、贈与される人の「もらいます」という意志が合致して、初めて贈与は成立するわけです。

どちらか一方でも欠けてしまうと、贈与は成立しないことになります。

良くあるケースが、子どもや孫に内緒でそれぞれの口座を作り、毎年、その口座に資金を異動していたような場合、貰っているはずの子どもや孫がその事実を知らなかった場合には、それは贈与ではなく、子どもや孫の名義を借りた単なる「名義預金」ということになります。

このような場合に、贈与者に相続が発生した場合には、これらの名義預金は相続財産と認定され、相続税の対象となってしまいます。

「名義を変えておけばよい」とか「単にお金を移しておけばよい」といった単純な発想で贈与を考え実行してしまうと、後で大変な問題となります。

安易な贈与は“危険”といえます。法的にも有効で、実態のある贈与を行うようにしましょう。

 

税理士法人レガート 税理士 服部誠

 

 

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