相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
初めてでも安心!相続手続きのポイント(10)
2022.08.22
前回の記事、【初めてでも安心!相続手続きのポイント(9)】では「故人の準確定申告」をご紹介いたしました。
今回は、「相続税の申告と納付」について解説いたします。
相続税の申告と納付の流れ
身近な人が亡くなった時の相続関連で、最も大変なのが、相続税の計算と申告・納付です。
現在、亡くなった人のうち、相続税の課税対象となる財産を保有していた故人(被相続人)は、全国平均で8~9%程度。2015年の大幅な改正前に比べて倍増したとはいえ、決して大きい数字とはいえません。
しかし、相続税の計算がもともと複雑なこともあり、相続税に詳しい税理士に協力してもらうことも多いでしょう。
相続税の申告と納付の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内で、原則として現金で一括納付になります。
相続税の申告・納付までには様々な手続きが必要になりますが、流れを簡単に示すと、次のとおりです。
相続税申告と納付の流れ
- 相続財産が全体でいくらになるかを評価・計算する
- その財産額で相続税がかかるかどうかを確認する
- 遺言書または遺産分割協議書に従って遺産を分けていく
- 各相続人が相続した額に応じて、各相続人の納税額を確定する
- 各相続人が申告・納税する
ちなみに、相続税の申告・納付にあたっては、申告書はもちろんのこと、様々な計算書や明細書があります。相続税の計算や納税額の確定を含めた全体像を知るうえでは、事前に確認しておくことも大切です。
これらはいかにも複雑であり、作成には非常に手間がかかるため、税理士に協力を仰いでも数か月以上かかるケースも多く、また、申告漏れなどが発生するケースも多い税制となっているのが実情です。
複数の相続人がいる際は要注意!納税は“連帯責任”
ここで、相続税の申告と納税における留意点をいくつか挙げておきましょう。
まず、相続税の納付は、故人の財産を相続した相続人が行います。
ただし、複数の相続人がいる場合、税金を現金で納めることができる人がいる一方で、簡単には納めることができないという相続人もいます。
そうした人の納税に関する義務は、連帯責任となっているので注意が必要です。
連帯して納付する義務があるため、自分だけは納税したから大丈夫というわけではなく、相続人全体で納税の責任を負うことになります。
万一、10か月以内に納税できない場合は延滞税が加算されます。
納付期限までにどうしても現金納付ができないときは、年賦で納めていく方式の「延納」や、現金ではなく不動産や上場株式などの物で納める制度の「物納」といった方法もありますので、早めに納税方法も確認するようにしましょう。
税務署からの「お尋ね文書」に注意
相続税に関しては、「相続税についてのお知らせ」という文書が、相続のあった家庭に税務署から送られてくるケースがあります。
この文書は、市区町村役場の死亡届の情報が管轄の税務署に通知され、税務署としては相続税の申告を忘れないよう、遺族の方に送付しているものになります。
実はこの文書には2種類あります。
相続税がかかりそうな広範囲の人には「相続税についてのお知らせ」が送られ、より確実に相続税がかかると思われる人には「相続税の申告等についてのご案内」が送られてきます。
不動産を持っている方や、生前の申告所得額が多かった方などが亡くなると、これらの書類が送られてくるケールが多いようです。
特に「相続税の申告等についてのご案内」が送られてきた場合は、税務署がかなり高い確率で相続税がかかると思っているので注意しましょう。
なお、これらの文書は税務署が内部情報から推定して一定の方に送っているもののため、すべての家庭にこのお尋ねの文書が届くものではありません。
従って、お尋ねが届いたからと言って、必ず相続税の申告が必要なわけではなく、逆にお尋ねが届かないから相続税の申告が必要ないということでもありません。
相続税の申告が必要かどうかは、ご自身で判断して対応する必要があります。
相続税の申告と納付のポイント
相続税の申告期限は「相続開始(死亡)を知った日の翌日から10か月」と、とても短い期間となっています。申告が必要か否か、ご自身で判断が難しい場合には、早めに専門家に相談すると良いでしょう。
また、万一、税務署から相続税に関する「お尋ね書」が届いても、専門家に相談していれば慌てることなく対処することができます。
参考までに、相続についてのお尋ねや書は下記PDFをご参照ください。
相続についてのお尋ねPDF※相続税申告の簡易判定シート(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/check/h26/pdf/05.pdf
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