相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
初めてでも安心!相続手続きのポイント(6)
2022.03.18
前回の記事、【初めてでも安心!相続手続きのポイント(5)】では、「それぞれに長所・短所がある遺産分割の方法と手順」をご紹介いたしました。
今回は、「遺産分割協議書の作成のポイント」を解説いたします。
遺産分割協議書はなぜ必要なのか
前回のおさらいとなりますが、故人が遺言書を作成していなかった場合、または遺言書と異なる分割を行いたい場合は、相続人全員で遺産分けの方法を話し合って決めることになります。
その話し合いで決定した内容を「遺産分割協議書」として作成し、その協議書に沿って実際に遺産分割を行います。
遺産分割協議書は法令で定められたものではなく、どこかに必ず届け出ることが義務づけられているものでもありません。
しかし、ほとんどの人が手続き上、金融機関や法務局などに提出することになります。
また、「遺産分割協議書」を作成することで、遺産の分割を正式な記録として残すことができるため、相続人同士のトラブル防止にも有効です。
そのためにも、遺産分割協議書をしっかりした形で作成しておきましょう。
遺産分割協議書作成のポイント
遺産分割協議書は、どのように作成すればいいのでしょうか。
ここでは、遺産分割協議書の記載方法と、気を付けるべきポイントについて詳しく解説いたします。
また、記載例をご用意しましたので参考にして下さい。手書きでも、パソコンのword等でもかまいません。
記載する内容は、以下の通りです。
遺産分割協議書に必要な項目
- 故人の氏名と亡くなった日
- 相続人の誰が何を取得(相続)するのか
- 作成した年月日
- 協議に参加した相続人それぞれの住所、氏名と押印
作成の際に気を付けるべきポイント
相続する財産が多肢にわたるなどで、遺産分割協議書が複数枚になる場合は、一体のものであることを示す割印を忘れず押しておきましょう。
また、相続による名義変更で法務局へ提出する場合は、作成した遺産分割協議書に誤字や脱字などの不備があると、修正を求められるケースもあるので注意が必要です。
なかでも特に注意したいのは、不動産や口座の表記です。
土地・建物などの所在地、地番などはすべて登記簿の記載どおりに記し、銀行名や支店名、口座の種類なども正確に表記しましょう。
相続人の押印は実印で、あわせて、それぞれの相続人の印鑑証明書を添付します。
未成年者が相続人の場合に気を付けるべきポイント
相続人に未成年者がいる場合は、未成年者に代わって法定代理人の署名・押印・印鑑証明書の添付が必要になります。法定代理人は通常であれば親権者である親がなりますが、親も相続人である場合は利益相反に該当するため、親は法定代理人になることができません。
例えば、父親が被相続人で、母親と未成年の子が相続人、といったケースが該当します。
このような場合は、親以外の「特別代理人」を選任する必要があります。
家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立て、未成年者に代わって遺産分割協議に参加してくれる代理人を決定します。一般的には叔父や叔母などの相続人ではない親族が特別代理人になるケースが多いです。
特別代理人の選任に関しては下記サイトをご参照ください。
特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_11/index.html
遺産分割協議書保管時のポイント
原本は、遺産分割協議書を取りまとめた代表者が保管し、他の相続人はコピーを保管しておくとよいでしょう。もちろん、相続人の数だけ原本を作成し、全員が原本を保管するといったケースもよくあります。
遺産分割協議書の作成はお早めに
遺産分割協議書は冒頭で解説した通り、法令で定められたものではありません。
したがって、有効期限や明確な作成期限なども定められていません。
しかし、相続財産の名義変更や解約換金の手続きには必ず必要になりますし、相続税申告は10か月以内という期限もあるため、必然的にそれらの手続きの前には遺産分割協議書が完成していなければなりません。
スムーズな手続きを実現するためにも、遺産分割協議書は早めに作成するようにしましょう。
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