相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
相続発生時に押さえておきたいお金まわり(6)
2021.09.13
今回は、前号【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(5)】に引き続き、【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(6)】として、「銀行口座の取扱い」についてです。
では、ご覧下さい。
銀行口座の取り扱いと手続きなど
身近な人が亡くなった時、第一に心配になるのは、故人の銀行口座の扱いではないでしょうか。
年老いた親が亡くなると、子が一目散に銀行に走りATMで故人名義の口座から預金を引き出しておくというケースが今でも多く見うけられます。
引き出したお金で葬儀代などを工面するのが主な目的かと思いますが、一方、そのような状況のなかで相続トラブルも起こりがちだという現実もあります。
口座凍結の解除、解約には相続確認表などが必要
口座の名義人が亡くなったことが金融機関に伝わると、その口座はいったん凍結されます。その口座にお金を振り込むことも、口座からお金を引き出すことも原則としてできなくなるわけです。
それはいまも昔も変わりません。ただし、以前に比べると、口座名義人が亡くなった情報を銀行が知るまでの時間が短くなり、口座の凍結の扱いも厳格になっています。
故人の凍結された銀行口座にある預貯金を相続する際は、口座の凍結を解除し、お金を引き出し、口座を解約する、という流れになります。
基本となる書類を金融機関が確認、必要に応じた書類を提出
金融機関の相続手続きは基本的には似たものになりますが、銀行によって若干の違いがあるようです。ここでは「ゆうちょ銀行」を例として紹介いたします。
ゆうちょ銀行の場合は「相続確認表」に必要事項を記入し、最寄りのゆうちょ銀行の窓口に提出します。
故人名義の貯金等の有無が不明な場合には「貯金等照会書」を提出すると口座の有無を調査してくれます。
必要な書類は、故人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書などです。
相続確認表と貯金等照会書(相続用)
手続きの流れとしては、ゆうちょ銀行の場合、相続確認表などを提出すると、後日、「必要書類のご案内」という書類が届きます。
その案内に応じて必要な書類を最寄りのゆうちょ銀行の窓口に提出すると、1~2週間のうちに払戻し処理が行われ、故人の口座は解約となります。
銀行によっては、また相続の形態によっては、遺言書や遺産分割協議書の提出を求められることもあります。
なお、銀行の預金口座は、10年以上取引がない場合は「休眠預金」となり、解約などをするのに面倒な手続きと日数を要することになるので注意が必要です。
そのため、凍結された口座も休眠預金になる前に解約の手続きを行ったほうがよいでしょう。
煩雑な手続きに「法定相続情報証明制度」が活用できる
法定相続情報証明制度は、2017年5月から法務省が主導してスタートさせた制度です。
この制度を分かりやすい表現で説明しますと、「登記所(法務局)に戸籍謄本などの束を提出し、併せて相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)を提出すれば、登記所の登記官がその一覧図に証明印をつけた写しを交付してくれて、その法定相続情報一覧図の写しを利用すれば、その後の相続手続きでは戸籍謄本などの束を何度も出し直す必要がなくなる」という制度です。
これは不動産の相続登記が必要な場合の手続きを簡略化するために導入された制度ですが、銀行口座の凍結の解除や解約、株式の名義変更、更には相続税の申告手続きなどにも利用できるため、とても便利な制度です。
銀行ごとに戸籍謄本や、死亡届などを提出したりすることなく、登記官が認証した法定相続情報一覧図の写しを提出すれば良いため上手に活用したいものです。
法定相続情報証明制度の具体的な手続について
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