相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
相続発生時に押さえておきたいお金まわり(5)
2021.08.16
今回は、前号【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(4)】に引き続き、【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(5)】として、「高額療養費制度」についてです。
では、ご覧下さい。
故人の高額療養費の申請も忘れずに
身近な人が長期の入院ののちに亡くなった時などは、「病院への支払いが多額になっていた」というケースも多いのではないのでしょうか。それが必要な医療や金額であったとしても、通常の1~3割の自己負担額を超える医療費は、家族にとってもその負担は大変なものとなります。
そのような自己負担額を超える医療費(差額ベッド代、入院中の食事などの保険外診療分は除く)については、所定の申請をすることによって戻ってくることもあります。それが高額療養費制度です。
自己負担限度額が段階的に変わる
高額療養費制度によって戻ってくる金額は、窓口で支払った金額のうち「自己負担限度額を超えた額」ですが、自己負担の限度額は年齢や所得に応じて定められ、加入する保険によっても異なるため注意が必要です。
また、介護保険も合わせた制度として高額介護合算療養費制度があります。
はたして、故人の自己負担限度額はいくらか、故人の高額療養費はいくら戻ってくるのかなどは、まさに故人によって異なる面が大きいため、故人の保険証をもとに各保険に確認することをお勧めします。
手続きとしては、高額療養費支給申請書を市区町村役場、協会けんぽに提出します。医療費の領収書も必要になりますので、きちんと保管しておきましょう。
健康保険高額療養費支給申請書
健康保険(被保険者・被扶養者・世帯合算)高額療養費支給申請書(PDF)
なお、故人の生前において医療費が高額になり、病院への医療費の支払いができなくなるような事態も想定されます。そのような場合には、高額療養費の8割ほどを無利子で借りられる高額医療費貸付制度もあります。
その制度を利用する場合は、高額医療費貸付金貸付申込書を記入し、協会けんぽや市区町村役場に提出します。
高額医療費貸付金貸付申込書
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