相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
相続発生時に押さえておきたいお金まわり(2)
2021.06.08
今回は前号【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(1)】に引き続き、【相続発生時に押さえておきたいお金まわり(2)】として、「年金の受給停止と未支給分の請求手続き」についてです。
では、ご覧下さい。
年金の受給停止と未支給分の請求手続き
年金の受給停止の手続きは、年金を受給している身近な人が亡くなった時に、最も大切な手続きの一つと言えます。受給停止の手続きをとらなければ、身近な人が亡くなった後も受給が続きかねません。知らずに受給が継続していた場合、受給した年金については返還請求されることになります。しかも、返還は一括が原則となっています。
ところで、年金は2か月に1回、受給者の指定した口座に振り込まれますから、年金受給者が他界した場合、最後の受給月から亡くなった日までは、年金の未支給期間が発生します。
そのため、年金受給者が亡くなった時は、速やかに「年金の受給停止手続き」を行うとともに、「未支給分の請求手続き」も合わせて行うことが必要になります。
年金の受給停止の手続きは
年金には国民年金と厚生年金がありますが、受給停止に関する手続きは連動していると考えてよいでしょう。つまり、厚生年金の受給停止手続きを行うことによって、国民年金の受給停止も連動して行われるということです。
手続きの場所は、亡くなった方が国民年金部分の基礎年金のみを受給していた場合には市区町村役場で手続きすることになりますが、厚生年金を受給していた場合は最寄りの年金事務所で手続きすることになります。
手続きの期日は、「国民年金」が故人の亡くなった日から14日以内、「厚生年金」が10日以内と若干、異なります。
国民年金のみの場合、すでに市区町村役場に死亡届を提出しているでしょうから、年金の担当課にその情報が伝わり、通常は自動的に国民年金の受給も停止されることになります。
一方、厚生年金については最寄りの年金事務所に「受給権者死亡届(報告書)」を提出することになります。
ただし、この報告書も、年金事務所を統括する日本年金機構に住民票コードが登録されていれば、市区町村との連携により省略できます。
こうした公的機関の間の連携は、マイナンバー制度の浸透により変わりつつあります。受給者やその遺族からすると、「一つの手続きですべて対応してもらえると有難い」と思うことでしょうし、またそう思い込んでいる人もいますが、マイナンバー制度に関しては、まだ完璧に機能しているとはいいがたい面もあります。
そのため、万一のトラブルを避けるためにも、死亡届を市区町村役場に提出する際には、「年金などやっておくべき手続きを教えてください」と確認しておくことが得策です。
市区町村役場によっては、「身近な人が亡くなった時にすべきこと一覧」としてリストアップしたパンフレットを渡してくれるところもあるでしょう。
未支給分を受け取れる人には優先順位がある
年金は2か月に1回、口座に振り込まれるので、最後の年金を受給してから亡くなった日までの未支給分は、いわば故人が生前に得られるはずだったお金で、相続財産の一つということがいえます。そのため、未支給であった年金は、死亡日において故人と生計を一にしていた遺族に次の順で支払われます。
- 第1順位:配偶者
- 第2順位:子
- 第3順位:父母
- 第4順位:孫
- 第5順位:祖父母
- 第6順位:兄弟姉妹
該当する方は「未支給【年金・保険給付】請求書」に、死亡診断書のコピー、手続きする人の住民票や戸籍謄本を添付して年金事務所に提出してください。
なお、この未支給年金は受け取る方の一時所得となります。そのため、相続税の申告において相続財産に含める必要はありませんのでご留意ください。
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